通所介護改定のポイント(入浴介助・生活機能向上連携)
こんにちは、金児です。
最近は、求人が非常に動いているような印象を受けていて、リハビリンクデイサービス、りんくるケアプランセンター、新規事業の訪問介護、これらの求人全てに応募がありました。
これはリハビリンクデイサービスのengageの求人。運動指導員の応募が多いですね。無料の求人媒体でこの反応は素晴らしいです。
特にindeedとengageに関しては、非常に反応が出ています。
決してこれら媒体の回し者ではないですが、採用に費用をかける時代はもう終わるのではないかなと思います。
訪問介護はまだまだ募集中ですので、奮ってご応募ください!!
今日は先日から始めた改定に向けて意見を書いていきます。
今回はデイサービスにおける入浴介助加算、生活機能向上連携加算の見直しについてです。
今までの改定率
前回2019年の介護報酬の改定では実に0.54%のプラス改定でした。
それまでも➖2%〜+3%
このくらいの数字で推移しています。
プラス改定!
といって一件あたりの請求額が数千円も数万円も変わるものではありません。
チリも積もればという感じです。
そもそもの数字の理解をしっかりとしておきましょうね。
さて色々と話題に上っていることについて触れていきます。
入浴介助加算にテコ入れ!
まずしょっぱなに議題に上がったのは入浴加算の見直し。
現在、デイサービスでの入浴に対して50単位/日で請求することができますが、うーん安すぎるかな!
これに関しては、ぜひ見直してほしいなと思います。
デイサービスにおいて風呂のニーズというのは非常に大きく、依頼もよくあります。
しかし、通所介護の現場では入浴介助は加算の単価が安い上に、リスクも高く、人手も取られる非常に厳しい加算です。
ここの部分のリスクヘッジとしてデイサービスを開設する際に風呂なしのデイサービスを選択された方も多いかと思います。(弊社もコンセプトを決める中で、リハビリと入浴の併用という選択肢ももちろんありましたが、両取りできるほど余裕がなかったので、リハに特化しました。)
入浴介助加算を手厚くすることで、風呂設備を導入する所は増えると推測します。(全身浴などの設備の導入には補助金も使えたはず。。。)
単純に加算の収益的な費用対効果でなく、集客目的での導入を測っていた事業所にとっては非常に助かると思います。
また個別機能訓練加算Ⅱの実施要項と絡めて、入浴動作練習を実施している事業所も多いと聞きます。自立支援を推し進める現状を考えてもよい着眼点であると思います。
違う観点から話をしますと、デイサービスでの入浴設備の強化は、デイケアに風呂だけ入りに行っている層のサービスの見直しにもつながると考えます。デイケアは通所リハビリであり、風呂を利用するためだけに利用するのは本来の意図と少し違うかなという意見です。(看護師の関与はデイサービスでも11人以上で必須ですしね)
要件の整備、サービスの適正化を踏まえて非常に妥当性の高い見直しだと私は思います。
勝手な意見!
加算の単位設定に関しては、入浴介助加算の単価を考えると、1人当たり120単位程度であれば妥当かなと思います。
120単位で小規模デイサービスであれば、10名が入浴できるのであれば、1日に算定できる単位数は1200単位。月間で2万5千円程度になります。30人で規模であれば7万5千円となってきます。
これはおよそ現状の個別機能訓練加算のⅠⅡを同時に算定した場合の単位数と同程度であり、バランスの良い数字ではないかと考えます。
このくらいの数字であれば、人員を多めに確保して短時間デイサービスで提供する事も十分視野に入ってくると思います。
生活機能向上連携加算の見直し
次はこちら。
生活機能向上連携加算とはそもそもなんやねんという話から。そもそもデイサービス関係者の認知度が70%程度の加算です。
訪問リハ、通所リハ、リハを行う医療機関の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師が加算を算定する事業所に訪問し、加算を算定する事業所職員と共に利用者の状態を把握した上で、個別機能訓練計画を作成する。その後も3ヶ月に1回は個別機能訓練計画の進捗状況を確認し、必要に応じて計画の変更を行う。
要するに
”外部のリハ職と連携して、計画を立てて個別機能訓練計画を作成して、実際にやったら評価するよ。”
という加算。
この評価と介入が一番時間を取られる部分であるので、実際に効果を出そうとすると現場的には非常に微妙な加算であると思います。
デイサービス側には算定する事で、200単位の報酬を得られますが、外部機関にはありません。
じゃあボランティアなの?
という話ですが、そこは事業所ごとに任されています。
現実としては、契約時に50%程度の報酬分配を提示するところがほとんどだと思いますが、この契約なかなか説明しづらいと思いません?
まずは相手法人さんがこの加算について十分な理解をしている事、その上で利益について分配する事を費用対効果の面で説明がなされなければなりません。
うーん。
どのような事業所を対象にした加算なのかよくわからないw
現実でも算定率は3%程度であり、同法人での出向がほとんどのようです。

うん、でしょうねーーー!
すいません、荒ぶりました。w
これね、加えていうとうちのようなリハ職を配置してるデイサービスからするとあまり意味ないのよw
理学療法士がいる所に医療機関のリハ職が来たって、まず出る幕はない。日常生活やその人の背景を知っているセラピストと、外部機関の月に一度程度しかこないセラピスト、どっちが対象者に適切なプログラムを提供できるんでしょう?というお話。
この話をすると、
「リハビリテーションは医師の指示のもとで提供するのが原則でしょう?」
という話が出ますが、その議論は長くなるしもう出がらしなのでここでは行いません。笑
あえて意味を見出すとするなら医療機関・医師との連携ができるという点くらいかな?
しかし、これをきっかけに医療機関と本当の意味で連携が行われていくかどうかというと甚だ疑問です。(そもそも算定率が低すぎる)
機能訓練指導員がリハ職ではなく、柔道整復師や鍼灸師であればもちろん意味はあると思います。
加算算定に関する提供サービスの適正化も含めて有意義でもあると思いますしね!
ただ、今度はその人たちが適切に個別機能訓練加算Ⅱを理解しているのかな?(個別機能訓練加算Ⅱは取り方によってはデイケアよりも複雑な要件設定だが、現実は個別機能訓練加算Ⅰとの区別が十分でなく、内容が重なっているというデータあり。)という疑問が湧いてくるわけで・・・
(この状況をみて個別機能訓練加算Ⅱがきちんと意味づけを持ってサービス提供されているとは考えにくいかなと)
重ね重ねデイサービスの機能訓練や目標設定はなかなかに難しいテーマなのです。
ちなみに今回の報酬改定における議論のテーマは
コロナ影響で対面での担当者会議や自宅への状況確認が免除されたのを受けて、外部スタッフの関わり方をテレビ電話でもOKにしてはどうか?というところだと思うんだけど、
「そもそもこの加算の意味ってなんだろう?」
という根本的な議論を十分にする事の方が大事なんじゃないかなと私は思うわけです。(もちろん加算を取得しやすくするのも大切ではあるけども)
加算を取りやすくなったとして、加算を取るためだけに存在していてはその意味はないでしょう。
あくまでその連携行為自体に意味があって、結果的に評価の1つとして算定があると思いますからね。
形だけの関わりで結果利用者様に還元できないのであれば、意味のない加算と言われても仕方がないのかな?と思います。
ちなみに弊社でいうと、近隣に懇意にしている医療機関がありますし、算定に関するハードルは低いですが、常時理学療法士が在籍しているデイサービスなので、意見交換をする意味が特段ないので、算定はしません。
結局は組織ごとの意識づけが問題であると思うのです。
まとめ
今回は入浴介助加算と生活機能向上連携加算について書いてみました。
私は理学療法士であり、通所介護を開設した立場で今回の記事を書いています。
もちろん様々な意見はあると思いますが、利用者様に還元できるようにより良い方向に向かう建設的な議論ができれば良いですね^^
次回はその他の論点について書いていきますー!